大宮勘一郎「クライスト2001 / 2011 −21世紀最初の10年とクライストの諸作品」メモ
・政治的非対称性(機会原因的な国家自身の影・亡霊)
・自然と人間の非対称性(→カントの崇高)
・共感覚(Sympathie)、忘我と夢=理性的コミュニケーション以外の意思疎通能力
→ 啓蒙的理性による対話の公共性、ポリス的秩序とは別のなにか
→ 「状態」(Vgl. 「語るにつれて」)
→ 「わたし(たち)」はからっぽの入れ物ではない。
→ 「わたし(たち)」以前あるいは以後のなにかがあり、そこに「わたし(たち)」を流しこむ。
→ 共感覚はそのネットワーク。クライストにおける「病的」=「状態」への感受性の高さ
→ 「状態」の組織化=人間の生の別の秩序化(Vgl. 『ペンテジレーア』『ヘルマンの戦い』)
・非嫡出性、非正規性、みなしご性
→ クライストにおける「父の不確実性」(への肯定性)
→ 秩序の尽きたところに組み込まれており、歴史を動かす。
→ 「父権の尽きたところに生じる亡霊的秩序」の存在
→ 確定的な秩序を揺るがしばらばらにしてしまうものが秘められている
・幽霊を含む共同体、幽霊をその一員とする共同体
・クライストにおける両義性:非嫡出性の両義性、「群れ」の両義性
・不定形な力にどういう枠組みを与えていくか
→ クライストは反啓蒙主義ではない
→ むしろ啓蒙の救い難い豊かさ、言葉の拡がりを捉えている
→ 啓蒙の拡張、啓蒙の徹底
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