2011年3月2日水曜日

健啖家

 翻訳の仕事の関係であるお医者さんに会った。おそらく70歳くらい。1963年には東独、1968年には中国にいたという。運動家で、文句があれば誰に対してでもすぐに言う。しかし同時にとても優しい心をもった方だった。共産党員だったが、「党にも文句を言ったから結局は追い出された」とのこと。自分で自分を笑うことのできる楽しいひとだった。

 打合せが終わり、昼食を食べに行くと、まず歩くのが早い。動きに無駄がなく、俊敏で、背筋が伸びている。機を見て横断歩道のない大きな車道を走って渡る。無駄がない。そして食べる。次々に食べ、たくさん食べる。健啖家だ。さらに話す。いろいろなことをよく記憶していて、非常に非常に話す。ごく当たり前のことのようにおおいに食べ、おおいに話すので、ご一緒してとても愉快だった。ぜひまた会いたい。

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