クライスト没後200年を前にした昨年2010年、伝記映画「Die Akte Kleist(クライストの記録)」が制作された。すでにDVDが手に入る。
クライストとヘンリエッテ・フォーゲルがヴァンゼー湖畔で心中を遂げるまでの25時間。それを当時の警察調書等をもとに俳優たちで再現しながら、同時にナレーションと映像でクライストの生涯を振り返る。クライストが旅したヨーロッパ各地の今日の様子が数多く映し出され、目を惹きつける。
当時の政治的状況に深く巻き込まれた人物としてクライストを描き出し、その死についても敢えて謎を投げかけるような構成になっていて、視聴者を楽しませるつくりになっている。映像のテンポが早すぎのが気になったが、一つ一つはどれも非常に美しかった。映画は全体で52分。長さとしても見やすくなっている。
こうした今日の趣味嗜好に合わせてつくられた映画を日本でも紹介できれば、クライストに対する関心が増してくると思う。字幕翻訳なら2週間くらいでできるのだが…。
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