2011年5月4日水曜日

5/3 事前通告・事後報告

 今日のニュース。

1. ビンラディン殺害作戦、パキスタンへの事前連絡なし

 昨日書いた「パキスタンがビンラディン逮捕→国際裁判所で訴追」はどうやら不可能な空論に過ぎなかったようだ。現実にはビンラディンは5〜6年も問題の邸宅に潜伏しており、パキスタンの支援を受けていたことが確実視されている。そのため、アメリカは事前に情報を流せば作戦が成功しないと考え、襲撃直前にヘリコプターによる作戦実施許可を求めただけだったようだ。

 47NEWS 時事ドットコム 独Spiegel

 パキスタンもみずからの立場を説明する必要があるだろうが、他方アメリカの国際法違反はこれで完全に明らかだろう。直前の連絡だけで他国領土内で軍事作戦を展開するとは! 今後の展開が注目される。


2. ビンラディン、アラビア海で水葬

 埋葬が高度に政治的な行為であることは、演劇研究者であれば誰もが認識している。なにしろ2500年前からそうなのであり、ある意味では埋葬の政治性を巡って現代演劇は発展してきたのである。

 今回も埋葬場所が聖地化することを避けるためにアメリカが水葬したことは確実だろう。ところがイスラム教において、水葬は海上での死亡の場合等の例外的措置であり、地上で死亡→海上で水葬はありえないらしい。そもそもいつか復活するためにもとの肉体が必要だから土葬するので、無闇に水葬できないのは当然だ。ソフォクレスの『アンティゴネー』と重ねて考えてみたい。

 ロイター 時事ドットコム 独Spiegel

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